ホンモノの歌〜喜多直毅歌手デビューライヴ with 加藤崇之(ギター)

歌いたい!あんな風に!あんな音の中で!
あんな歌を!作れたら!
あんな歌を!歌いたい歌えない歌いたい歌えない!クソー!乾杯完敗ブラボー。
私まだまだ甘いです。アレが歌。ホンモノ。私の歌はナニ?モノホン?

ヴァイオリニスト喜多直毅さんの初の歌のライブ。全て喜多さんのオリジナル曲。ギターは加藤崇之さん。
自分も週末に本番を控え明日も朝から盛りだくさんのスケジュールでいっぱいいっぱいだけどこれは行かねばと。今日は会場に近い駅でレッスンをしていたこともあり足を伸ばした。

「今日は『ジャイアン』リサイタルです」なんて会場を笑わせながらのライブのスタートだった。
一曲目を聞いたときすでに「このライブを最後まできいたら、今後歌えなくなるんじゃないかしら。」と一瞬不安に襲われた。

綺麗な声?響く声?良い発声?歌上手い?なにそれ美味しいの?
どれだけ声を振り絞っても月に届くのは狼の声。いくら完璧な発声で叫んでも届くのは誰かの本物の祈り。
喜多さんの歌はそんな歌だった。

思えばジャイアンはまわりを失神させるくらいの歌を歌えるわけなのである。それはすごいことなんである。ジャイアンの歌を笑うなら歌で誰かを失神さセテミロ。そしてまわりは失神してる場合じゃないんだ。ジャイアンの歌と一緒に無限に広がる世界を作ろうよ。

喜多さん自身のヴァイオリンと加藤さんのギターはそれをやっていた。
歌と共に奏でるヴァイオリンとギターの完璧な図。素敵すぎて言葉がない。

喜多さんのヴァイオリンを初めて聴いたときは衝撃だった。ヴァイオリンだけど七色の声。ヴァイオリンは泣くのだと思った。ヴァイオリンが身体と一体にキラキラピョンピョン眩しかった。強烈な印象だった。

加藤さんのギターを聴いたとき身体の中の細胞が心地よく整えられていく感じがした。歌わせていただいた時はワクワクした。加藤さんのギターは深く良い息が吸える。身体の中を息が巡る。そのついでに声が出る。それは加藤さんが歌い手より歌って呼吸をしているからかな。その前で何かやってやろうなんておこがましい。ただ真剣に息を吸って吐いて声が鳴るのを粛々と待つだけで良い。

そんなお2人の創る完璧な音の空間。どれだけ暴れても変幻自在に響く空間。コミュニケーションや息や間合いのピッタリな感じは軽く嫉妬を覚えるほどだった。どうやったらあんな風になるんだろ?これって普通なの?
みんなこんな風にできるものなの?

上のようなことがぐるぐる回る中、心底楽しみ笑った。やられた。悔しいくらいに。そしてその歌も気になって気に入った。気に入った歌はいつも自分の声ならどう歌うのか何となく想像がつく。でも喜多さんの歌は気に入ったというより、この歌を歌う私はどんな声を出すのだろうと強く興味が湧いた。終わってから挨拶もそこそこに「楽譜は売ってらっしゃったりするんですか?」「私も歌いたいんですけどどうしたらいいですか?」とズケズケ聴いてしまった。厚かましくすみません、、。

まだいろんな興奮が冷めやらず。
自分の本番前に聴いてよかったのだろうか。いや、これは本番前の必勝祈願、祈祷、魔除けだったな。そうだ明日歌えなかったら喜多さんの歌を聴いてしまったせいにしよう。

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