大切な歌の仲間たち

明日は一日事務仕事とメンテナンスとインプットの日!と気合?入れながら(事務仕事は気合が肝心)FBを見ていたらたまたま音大の同期で大活躍中の楠美さえちゃんが仕事で横浜に来る情報が目に入る。
おおっ。横浜!

明日?!私・・・うごけるやん!というわけで急遽連絡をとり、さえちゃんは忙しい中朝早い新幹線で来てくれた。
移動含め1時間ちょいしゃべり倒したそのあと同じく同期の高塚恵理子ちゃんと3人で、あいさつもそこそこに歌う歌う歌う!

実はさえちゃんとも恵理子ちゃんとも、音大時代はあまり接点がない。恵理子ちゃんとはほぼ「はじめまして」だった。なのにこの展開。さすが歌への愛でつながる仲間。

さえちゃんこと楠美さえ子ちゃんは共通の友達がいたりオペラでちょっと一緒だったので知ってはいたし、話したこともあったと思うが、ちゃんと交流が始まったのはここ数年、FBでつながってから。私は経験したことがないミュージカルや演劇とかとにかくいろんな現場でバリバリやってるのを見て、すごいなと思っていた。

まあその熱量のすごさ。普段の教えるレッスン量も本番量も私の何倍やってるんだろう、いつ寝てるのかしらというくらいの勢いだ。
そして投稿の文章からあふれてくる、歌うことや本番や、仕事や、仲間や生徒さんお客さんへの愛!私もたいがい暑苦しいといわれるが、その熱さたるや、こりゃあ私の比じゃないといつも感心していた。楽しく元気になる文章の行間から伝わるストイックで真剣な姿勢にも共感しまくっていた。

高塚恵理子ちゃん。
音大に入る前から、NHKに出演したり、卒業後もミュージカルや演劇でもとにかく大活躍。実は彼女とは多分、さえちゃん以上に音大時代はほとんど接点がない。
挨拶くらいはしてるかもだが、さえちゃんに恵理子ちゃん知ってる?と聞かれたとき、「私はよく覚えてるけどしゃべったことないかも。もしかしたら私のこともしらないくらいかも?」と答えたくらい。
そう、私はめっちゃよく知っていたのである。一方的に覚えていた、という感じだが。

音大に入学した時、兵庫の田舎から出てきた私は、右も左も、知り合い一人いなくて(二つ上に合唱団の先輩はいたけれど・・・)、多くの子がとても華やかで、おしゃれでかっこよくて、そういう子ばかりいるように見えて、ちょっとひるんでいた。そんな、入学してすぐの授業、演技演習だったかな。ダンスとか演技とか、簡単なバレエの基礎みたいなことをやる授業。私は体はかたい、教えられたワルツのステップ(なぜかその時それをみんなで踏んでいた!)はもひとつよくわからないしでドギマギしていたのだが、そんな時どういう経緯でそうなったのかわからないけれど、恵理子ちゃんが颯爽と踊る姿が目に入ってきた。めちゃくちゃダンスかっこいい!きれい!!誰!?音大ってこういう子がすぐ近くにいるとこなんだ!と衝撃だった。
素敵な子だなあと思いながらも声をかける勇気もなく、その後も接点がないままだった。

音大の空気にマゴマゴしていた私も、少しずつ親しい友達もでき、学生生活をそれなりに楽しんでいくわけだけど、彼女のことは音大というところに最初に抱いたイメージの象徴的な存在として、ずっと心に残っていた。だから卒業してこれだけ経ってから初めてちゃんと話してそのうえ歌も歌うなんて、本当に不思議で、もうワクワクするしかない今日の展開だった。

野村仁美ちゃん。ダンサーとして劇団四季で活動、退団後の今は活動に加え、指導者としても活躍中。彼女は3年生の時、彼女が演出した学生オペラから親しくなったと思う。今回一緒になった同期メンバーで唯一、学生時代しっかり交流があった人。彼女は本当に真面目で、芯が強いイメージだった。いつもピンと伸びた背筋に舞台への熱い思いを感じた。彼女がいると稽古場が引き締まった。演出上のどんな提案も丁寧で冷静で、また、提案する演技を口だけでなく、自分でちゃんと演技して見せてくれた。動きもセリフも美しくて、とても勉強になったし、彼女の舞台やいろんなものへのリスペクトを感じて、すごいなあと思っていた。この1月に大学卒業以来の再会をしたけれど、彼女は全然かわっていない、、というか、あのころよりもさらに素敵に華やかになっていた。ああ、ずっと表現することにまっすぐ向き合ってきたんだなということをそのたたずまいから感じた。

それは今回出会ったみんなそうだったな。
そうだろうと思っていたけど思った通りだった。学生時代のようにみなとどっぷり歌うことにつかり心底楽しみながらも、そのただずまいに、時折背筋が伸びる思いがした。

それと同時にしみじみ嬉しかった。
16年前、夫と1歳の子どもと来た横浜の、誰も知らないそこで、いちから音楽活動を始めた。仲間を集め、興味のある人に会い、話があれば歌い、インスピレーションを感じるまま動いた。見よう見真似でチラシを作り、合唱団をはじめ、小さなコンサートや講座、イベントを企画し歌った。大切な仲間はたくさんできたが歌い手としては基本ずっと一人でやってきた。歌い手は1人なものなので当然といえばそうだが、でもここ数年、なぜ今そうなのかわからないけれど、同じような、いやそれ以上の熱量や思いの人と、それこそぼんやりしていたら仕事がなくなるぞ~、ワタシの力不足をさらすだけになるかもだぞ~ていうような人たちと、緊張感をもちつつも、歌への思いの深いところで共感しあい、尊敬しあい、刺激しあい、切磋琢磨しながら歌い、生まれる表現を見てみたい!と思うようになった。(占いによると私はここ10年ほどが青春時代らしい笑)歌、という私の一番大切なところでガッツリ向き合える仲間を求めてたのかな。

そんな時出会った、今一緒にやってる元タカラジェンヌで劇団四季にいたケイさん、
(ケイ&マイ ライブ 5月12日です!
そして、今回出会った同期のプロフェッショナルなみんなだった。

今日はさえちゃんと恵理子ちゃんと歌ったのだけれど、二人ともとにかくプロフェッショナル!何でも歌う!予想はしていたけれど、いや、まさにプロとはこうでなくっちゃ!
アンタも一応プロやろと自分に突っ込みながらも、二人の歌声にもうドキドキワクワクがとまらず2曲目に選んだ「天城越え」。
いつもならもう少し後で出してくるのだが歌で興奮させられると歌いたくなるのがこれなのでしょうがない。

あっという間の時間だった。
歌への愛があふれた日だった。
ずっと歌ってきて、生きてきて、よかったな。ふとそんな気持ちもよぎるような一日だった。
みんなありがとう。
これから改めてよろしくね!

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